





音楽室と回り庭の家
No.003
愛知県
2020-2021
庭に囲まれた音楽室のある住宅。趣味でバイオリンを弾いているという施主から、休日に音楽仲間を招き、演奏を楽しめる家をつくりたいという依頼があった。また、植物の世話が好きなため、庭にも室内にも多くの植物がある空間にしたいという。そこで、間口7m×奥行き26mの敷地の中央にシンプルな直方体の建物を配置し、その周囲を「回り庭」として木々を植え、小さな森のような庭に囲まれた「音楽室」を計画した。一階にはリビングとキッチンを備えた「音楽室」、二階には寝室や浴室などのプライベートエリアを設けた。音楽室は音響的な抜けの良さを重視し、天井高を2.8mと高く設定。さらに、高さ2.2mの連続する腰窓を南・西・北の三面に設けることで、どの場所からでも回り庭を眺められる構成とした。この開放的な設計により、演奏を楽しむ空間と外部の自然とのつながりが強調されている。
バイオリンやピアノといった楽器の素材感との調和を意識し、壁・建具・キッチンにはラワン材を採用。ラワン特有の粗野で温かみのある質感と、端正な加工が音楽室に独自の雰囲気を与えている。また、床には木目が特徴的な栗材の無垢フローリングを採用し、水がかかる可能性のある玄関やキッチン、観葉植物を置く窓辺には、防水性の高い磁器質タイルをロの字状に敷設。これにより、機能性を保ちつつ「音楽室を囲む」という空間のコンセプトを強調している。連続する開口部、タイル張りの床、庭の木々、観葉植物、ラワン材の壁や建具で音楽室を幾重にも取り囲むことで、輪になって音楽を楽しむ仲間との、根源的で親密な時間が生まれるような音楽室を目指した。


Concept Image
Building Details
敷地:愛知県名古屋市
用途:住宅
工種:新築
構造:木造2階建
敷地面積:180.98㎡
建築面積:39.16㎡
一階床面積:39.16㎡
二階床面積:39.16㎡
延床面積:78.32㎡
構造設計:Atled構造設計室
施工:尚英ハウジング株式会社
撮影:ToLoLo studio
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